サイエンスコミュニケーションと、社会課題解決と、私
- j-wada
- 2 日前
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和田順子と申します。4月からサイバコに参画しました。みなさん、どうぞよろしくお願いします。
サイバコではめずらしく、人文社会系の法学部(政治学科・社会学ゼミ)出身です。

自己紹介を兼ねて、私がサイバコで実現してみたいことについて書こうと思います。
私自身の漠然とした関心事は、「社会課題はどうやって解決されていくのか」です。社会はひとりひとりの集合体。でも個人と集団とでは考えやふるまいが変わるものです。そんな私たちが社会を形成することで生じる課題の解決に対し、社会を構成するひとりの人間はどのように関わっていけるのかに興味があります。
政治学科に属していた大学時代は、社会課題を解決するためには法律・制度・政策をつくる側にまわることが重要だと思っていました。そのせいか、民間企業に就職した私は社会課題を解決できる立場にはないと感じていました。
転機は妊娠・出産。いわゆるマミートラックに陥ったうえにワンオペ育児。育児の責任を果たしながらの社会復帰は非常に厳しく、結局キャリアをあきらめてしまいました。ネット掲示板を開けば、同じような状況で苦しむ母親たちの悲痛な叫びが凝縮されていました。これは私個人の問題じゃない、社会課題なのだ、と感じた瞬間でした。
ただその課題に対して、ひとりの人間としての私は何ができるのか?
私にできたことは、目の前のことに日々一生懸命に生きたこと。結果的に子どもが大きくなって手が離れ、課題ではなくなっていました。
子どもが大きくなった私はこうして好きな仕事ができていますが、たった今、私がかつて感じたのと同じ悩みを抱えている人に対しては何もできていません。
私は社会課題に対して何ができるのか?
3月まで私は、経済産業省事業「チャレンジフィールド北海道」でコーディネーターを4年半務めていました。地域課題解決に向けて、その課題に関わる多様なステークホルダー(自治体・大学・企業・団体・市民等)の参画する共創プロジェクトを生み出し、伴走支援する仕事です。
チャレンジフィールド北海道には24の地域課題解決プロジェクトがありました。テーマは地域交通、一次産業、エネルギーなど多様、そして関係機関も多様でしたが、プロジェクトの多くが、ひとりの「気づき」と「熱意」に端を発していました。その気づきと熱意が数人の共感を得て支援者が生まれ、まわりを巻き込み、プロジェクト化し、より多くの人や組織、お金を動かし、それが政策にも生かされていく。そんな様子を間近で見てきました。そして大きく力づけられました。
とはいえどれもが順風満帆なプロジェクトだったわけではなく、ステークホルダー間の目線合わせ、相互理解、そこからの合意形成に難しさがあることもありました。そこにサイエンスコミュニケーションが生きると考えています。「専門性や常識、前提の異なる人同士の理解を促すサイエンスコミュニケーションを通じて、社会課題を解決する。イノベーションを生み出す。」そのお手伝いをすることが、私がサイバコで実現してみたいことです。
幼いころ、母からよく言われた「子どもは知らなくていいのよ」という言葉が苦手でした。私は何でも知りたいのに。早く大人になって世の中のことが全部知りたい・わかりたいと思っていました。大人になってわかったのは、わからないことがわかっても、さらにその先に新たなわからないものがたくさん控えていることを知った、ということ。果てしないスパイラルに辟易しつつも、同時にゴールの見えない模索・探索が楽しくもあります。サイエンスコミュニケーションも社会課題解決も、ゴールの見えない奥深さが魅力でもあります。
趣味は植物をいじることです。拡大解釈してコンポストも好きです。

みなさんどうぞよろしくお願いします。
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